沈黙の町で


直木賞の「空中ブランコ」系のような、ノリの良さは全くなく、ひたすらリアルに中学生のいじめなどのテーマ問題に取り組んだサスペンスでした。
考えさせられる部分が多いお話でした。
色々な人の視点から書いてあるので、事件はひとつなんだけど、単純なものではなく、それぞれの立場があって・・・。
最後まで、すっきりとはせず、どうなるのかなぁ?という感じです。
13歳と14歳の待遇の違いも理不尽ですよね・・・。びっくりしました。

中学生なのに、男気のある瑛介の言葉は心に残りました。
「おれさあ、親父も兄弟もいねえじゃん」
「だから中学に入るとき、一生を通じて助け合える仲間をつくりなさいって、おふくろに言われてさ。それで、助けられるなら助けたほうがいいかなって」
「「困ったときに助けてあげない人間は、冷たい人間だって」
「あと、船が沈むときに、真っ先に逃げ出す人間にはなるなって」
うーん、こんな科白を何気なく言える親であれたら、良かったな・・・。
(過去形か?・・・・苦笑)